ボツリヌス治療
歯ぎしりや食いしばりに対するボツリヌス治療は「噛む」ための筋肉である咀嚼筋のうち「咬筋」に注射をして症状の緩和を図ることを目的としております。
ボツリヌス注射を行うことで夜間の歯ぎしりや食いしばりをする回数(頻度)を少なくする効果や顎周囲の痛みを和らげる効果があるという報告もあります。
ボツリヌス治療の主な効果
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歯ぎしり、食いしばりの緩和
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顎関節症の緩和
その他副次効果として
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咬筋発達によるエラ改善
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食いしばりによる肩こり・頭痛改善
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歯ぎしりにより進行した歯周病の改善
治療の流れ
当院でのボツリヌス治療は「咬合機能改善」の一環として行わせていただくため、初診時にはレントゲン撮影、歯周検査などお口の中全体のチェックをいたします。
初診時には以下の3点を行います。
1.問診および口腔内全体の検査
2.ボツリヌス治療が適用可能であるかの診査
3.緊急性を伴うむし歯治療、歯周治療、修復治療
その後、ボツリヌス治療を開始します。
薬効について
ボツリヌス注射後、通常2~3日後から効果が現れ、1~2週前後で安定しピークに達します。
その後徐々に効果が減退、個人差にもよりますが4~6カ月ほどで効果が消失します。そのため効果を継続させたい方は3~5カ月間隔で定期的に注射を行います。
一方、持続効果に限りがあることで薬効が強すぎた場合でも時間がたてば元の状態に戻るという安心感があります。
また注射を継続する場合でも、だんだんと注射間隔が長くなるもしくは注射を打つ必要がなくなる場合もありますので、一生打ち続けなければいけないというわけではございません。
デメリット
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注射部位に痛み、腫れ、内出血を起こすことがある。
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一時的に咬む力が弱くなる。
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アレルギー症状が出ることがある。
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薬効には個人差があるため、効果を実感しづらい可能性がある。
施術を受けられない方
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神経伝達機構の障害を伴った疾患の方
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アミノグリコシド系抗生物質を服用中の方
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重篤な心疾患または肝腎疾患の方
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慢性的な呼吸器障害のある方
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抗凝固薬を服用中の方
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緑内障の方
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過去に同様の治療でアレルギー反応を起こしたことがある方
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薬剤過敏症の方
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妊娠・授乳中・妊娠予定の方とその配偶者